2026.05.22

言いたいことが先走って、論理と文法を忘れた英作文

塾をやっていると、たまに「天才か?」と思う英文に出会います。

いや、もちろん文法的には間違ってるんですよ?

でも、その英文には日本人の“本音の処理”が丸出しになっていて、私は結構好きなんです。

昨日も塾生が、They don’t have to outと書いていました。

「外に出なくても良い!」

と言いたかったらしいです。惜しい。惜しすぎる。でも、これを見て私は笑いながらも、「あー、日本人だなぁ…」と思いました。頭の中ではたぶん、out = 外don’t have to = 〜しなくていいここまでは来てるんです。

そして脳内では、

「外!行かなくていい!!」

という“言いたい気持ち”が爆発している。しかし、その勢いが強すぎて、

「誰がどう移動するのか?」

という英語最大の問題児、“動詞”が吹き飛ぶ。結果、They don’t have to outが誕生する。いや、気持ちは分かる。めちゃくちゃ分かる。日本語って、

「外出なくていいよ」

でも成立するんです。主語も薄い。動詞も軽い。雰囲気で通じる。でも英語は違う。英語は、

「お前、どう動いたんだ?」

をしつこいくらい聞いてくる。だから本当は、They don’t have to go out.になる。英語は「go」が欲しい。“外”だけでは満足しない。

「どう外へ行くんだ?」まで要求してくる。

ほんと細かい。別の塾生はもっと強かった。

「道を間違えて運転する」

を英語にしたくて、may wrong the roadと書いていた。これも私は好きです。もう、“言いたい”が全面に出ている。wrong = 間違いroad = 道

だから、

「道を間違える」

↓wrong the road!!という、力技。日本語脳としてはかなり自然なんです。だって日本語は、道を間違える名前を間違える時間を間違えるみたいに、「間違える」を万能動詞として使えるから。

しかし英語は、そんな万能感を許さない。英語はすぐ分けたがる。go the wrong waytake the wrong roadmiss a turnなど、

「どのタイプのミスなのか?」

を細かく分類したがる。めんどくさい。でもここで私は思うんです。日本人は英語が苦手なんじゃない。“言いたいこと”が強すぎる。

だから脳内ではまず、

「外!」

「道!」

「間違えた!!」

が先に走る。その後に来るはずの、文法論理動詞選択が置き去りになる。つまり英作文で起きているのは、

「知識不足」

だけではなく、“感情の暴走”なんです。でも私は、この「暴走」は悪いことじゃないと思っています。むしろ、

「英語で何かを伝えようとしている」

証拠だから。最初から完璧な英文なんて作れません。まずは、言いたい!伝えたい!何とか英語にしたい!これが先。その後で、

「あ、英語は go が必要なんだ」

「wrong はそのまま動詞化しないんだ」

と修正していけばいい。英語学習って、最初からエレガントに始まるものではありません。だいたい最初は、“感情で殴る英作文”から始まります。

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